【日本酒 テイスティング】天賦(てんぶ) 純米吟醸|リカーバード【醸造酒】

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【日本酒 テイスティング】天賦(てんぶ) 純米吟醸

  1. 基本データ
  2. 色合い
  3. 香り
  4. アタック・第一印象
  5. 味わい・テイスティング
  6. 総評・コメント

 

【基本データ】2020年新発売ながら、既に風格すら感じさせる完成度の高さ

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・容量     [ 720ml ]

・アルコール度数[ 15度 ]

・原産国    [ 日本・鹿児島県 ]

・入手難度

容易               やや困難              極めて困難 

1・・・・・●・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5

 

・飲み頃の温度

冷凍                常温              ホット、熱燗 

1・・・・・・・・・2・・・・・・・・●3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5

 

・カクテルベースとして

向いていない(難しい)        普通               向いている 

1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5

0● 使ってはいけない(もったいない)

 

色合い

 

濃淡

無色透明              琥珀色               近黒色

0・・・●・・・・・1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4

上記に当てはまらない

 ・カラー[ 無色透明に近いが、僅かに黄色みを帯びている。 ]

 

香り

 

赤果実系

 ・イチゴ ・ラズベリー ・さくらんぼ ・リンゴ

 

黒果実系

 ・カシス ・ブルーベリー ・プラム ・黒色ぶどう

 

柑橘系

 ・レモン ・グレープフルーツ ・柚子 ・シトラス

 ・青リンゴ ・マスカット

 

トロピカルフルーツ系

 ・ライチ ・パイナップル ・キウイ

 

その他果実

 ・メロン ・桃 ・洋ナシ ・バナナ

 

スパイス系他

 ・白・黒こしょう ・生姜(ジンジャー) ・香草類(ハーブ) ・ハッカ

 

ミネラル系他

 ・貝殻 ・鉄・鉱分

 

シリアル(穀物類)系他

 ・米・もち米

 

花・草木・自然系他

 ・ラベンダー ・ミント ・カエデ(メイプル) ・ハチミツ

 ・青草 ・森林 ・ココナッツ ・樹脂 ・白樺(シラカバ)

 

樽香・熟成由来の香り

 ・バニラ ・ドライフルーツ ・クッキー

 

乳製品系

 ・ミルク ・ヨーグルト・乳酸

 

ペトロール(石油)・アルコール臭系系

 ・ラムネ ・麹由来

 

アタック・第一印象

 

弱い                普通                強い 

1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3●・・・・・・・・4・・・・・・・・・5

コメント[ アタックは中庸だが、心地よい口あたり。 ]

 

味わい・テイスティング

 

甘味

弱い                普通                強い

1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・●・・・・・・4・・・・・・・・・5

コメント[ 甘みは程々。ガムやキャンディのような爽やかな甘さ。 ]

 

辛み

弱い                普通                強い

1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・●・・・・・4・・・・・・・・・5

コメント[ 甘みの背後に隠れがちだが、芯の通った潔い辛口。 ]

 

酸味

なし                普通                強い

0・・・・・・・・・1・・・・・・・・・2・・・・・・●・・3・・・・・・・・・4

コメント[ 豊かで豊潤、たっぷりとした酸味。 ]

 

塩味

なし                普通                強い

0・・・・・・・・・1・・・●・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4

コメント[ 味の下地となる塩味。 ]

 

苦味・渋味

なし                普通                強い

0・・・・・・・・・1・・・・・●・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4

コメント[ 苦味・渋みがいいアクセントになっている。 ]

 

旨味

なし                普通                強い

0・・・・・・・・・1・・・・・・・・・2・・・・・●・・・3・・・・・・・・・4

コメント[ 豊かな旨み。しっかり。 ]

 

凝縮感・熟成感

弱い                普通                強い

1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・●・・4・・・・・・・・・5

コメント[ 米の凝縮感がかなり強めに出ている。 ]

 

個性

弱い                普通                強い

1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4●・・・・・・・・5

コメント[ 端正で芳醇、極めて純度の高い純米吟醸酒。 ]

 

味わいから感じるフレーバー

 ・スパイシー ・ミネラリィ ・フローラル ・フルーティ

 

飲み口(風味・酒質)

 ・クリーン ・すっきり ・キリッと ・ピュア ・透明感

 ・爽快な ・爽やか ・澄み切った ・清涼感 ・新鮮な ・フレッシュ

 ・洗練された ・生き生きとした ・瑞々しい ・香(かぐわ)しい

 ・清らかな ・マイルド ・しっとりとした ・シルキー ・しなやかな

 ・綺麗な ・滑らかな ・まろやかな ・自然な ・清楚な ・メロー

 ・心地よい ・澱(よど)みのない ・とろみのある ・ジューシーな

 ・口当たりの良い ・チャーミングな ・まったりとした ・とろけるような

 ・馥郁(ふくいく)とした ・エレガント ・甘やかな ・甘美な

 ・上品な ・上質な ・魅力的な ・ビロードのような ・豊かな ・奥深い

 ・芳醇な ・豊潤な ・ふくよかな ・艶やかな ・凛とした ・味わい深い

 ・確かな ・リッチな ・しっかりした ・ゴージャスな ・華やかな

 ・芯のある ・厚みのある ・濃密な ・飲み応えのある ・深みのある

 ・コクのある ・濃厚な ・ボリュームのある ・はっきりとした

 ・存在感のある ・重層的な ・凝縮感のある

 

バランス

平凡                 一般的                 良好

1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・●4・・・・・・・・・5

コメント[ 香りが前面に出るが、トータルバランスは秀逸。 ]

 

ボディ・骨格

ライト              ミディアム           フル・ヘビー

1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・●・・・4・・・・・・・・・5 

コメント[ 若干骨太さを感じるミディアムボディ。 ]

 

フィニッシュ

短い                普通                長い

1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・●・・・4・・・・・・・・・5

コメント[ やや切れ上がりは早いが、余韻はしっかり残る。 ]

 

総評・コメント

 

今回ご紹介するのは「天賦(てんぶ) 純米吟醸」です。

「天賦」を産するのは「西酒造(株式会社)」で、鹿児島県日置市吹上町に酒蔵を構えます。

吹上町と言えば「日本三大砂丘」としても有名な「吹上浜(ふきあげはま)」のある地で、その長さは47kmにも及び、「日本一長い砂丘」としても知られています。

因みに、「日本三大砂丘」の残りの2つは鳥取県の「鳥取砂丘」、静岡県の「南遠大砂丘(なんえんだいさきゅう)」になります(諸説あります)。

「西酒造」の創業は1845年・弘化(こうか)2年、以来177年もの長きにわたって、鹿児島県の薩摩半島西海岸のほぼ中央部にあたる吹上町で酒造りに励んでいます(2022年9月現在)。

「西酒造」と聞けばピンとくる方も多いと思いますが、芋焼酎の「富乃宝山(とみのほうざん)」「吉兆宝山(きっちょうほうざん)」「天使の誘惑」などの銘柄で知られる著名な焼酎蔵でもあります。

というよりも、「西酒造さんが日本酒を造っている?」と思われる方のほうが多いのではないでしょうか。

実際、私自身も「天賦」という日本酒の名前を聞いたのは今回が初めてで、もちろん飲んだこともありません。

それもそのはずで、この「天賦」がリリースされたのは2020年8月とつい最近の出来事で、「鹿児島で日本酒?」と大半の方が訝(いぶか)しがるのも無理からぬことだと言えます。

圧倒的な「焼酎王国」のイメージが強い鹿児島県ですが、日本酒造りが長く途絶えていた時期がありました。

40年間にわたる「日本で唯一日本酒が作られない県」の沈黙を破ったのが明治創業の老舗酒蔵「濱田酒造」で、2018年におよそ40年ぶりに鹿児島の日本酒造りが復活を遂げました(「薩州正宗」等の銘柄があります)。

それから遅れること4年、「西酒造」でも日本酒「天賦」が販売され、今では鹿児島県内のこの2つの酒蔵で「鹿児島県産の日本酒」が販売されています。

ではなぜ鹿児島で日本酒造りが行なわれてこなかったのかということですが、鹿児島では活火山により出来た「シラス台地」が広がっていることとも関連しています。

「シラス台地」は水はけが非常に良く、水分保持が必須な稲作栽培には不向きです。一方、水はけの良さを好むサツマイモ栽培にはマッチングし、この土地での農業のメインとなっていきました。

更に薩摩藩が財政力の向上を図るべく芋焼酎造りを奨励し、この地で焼酎文化が根付いたという歴史的背景もあります。

このような背景に加えて、鹿児島は年中を通して温暖な気候であり、「寒造り」が基本の日本酒造りは難しいということもありました。

しかしながら近年の技術の進歩や最新の設備を導入することにより、徹底した温度管理が可能になり、今では年間を通してこの土地でも日本酒造りができるようになりました。

こうした状況も踏まえて、2022年8月に満を持して発売されたのがこの「天賦 純米吟醸」という訳です。「天賦 純米吟醸」の基本データ(スペック)は以下の通りです。

 

種類:純米吟醸/アルコール度数:15度/原材料名:米(国産)、米麹(国産米)/精米歩合:50%/

使用米:山田錦/使用酵母:未公開/日本酒度:未公開/アミノ酸度:未公開/酸度:未公開/

 

「天賦 純米吟醸」のテイスティング(唎き酒)ですが、以下に記述します。

まずお酒自体に軽い発泡性があり、抜栓すると「ポンッ」と軽快な音が響きます。

また香りですが、典型的な吟醸香が立ち上がってきます。

イチゴ、ラズベリー、さくらんぼ、リンゴ、カシス、ブルーベリー、レモン、柚子、マスカット、ライチ、パイナップル、メロン、桃、バナナ等・・・・。

ここまで複雑でフルーティなフレーバーは久しく嗅いだことがありません。

華やかで芳醇な吟醸香ですが、決して人工的で鋭い印象はなく、あくまでも優しく奥ゆかしいニュアンスがあります。

どこか懐かしい印象もありますが、古くさくて野暮ったいイメージではなく、キャンディやガム・屋台の綿菓子等を想起させるような、ウキウキとした気分にさせてくれる香りです。

味わいはフルーツのフレーバーから連想される上品な甘みや酸味が口中に拡がってきて、甘み・辛み・酸味・苦み・旨みのバランスが秀逸です。端正で綺麗な酒質ながら馥郁としてリッチなボディも兼ね備えていて、同時に艶(つや)を感じさせるような複雑なテクスチャーも感じられ、純米吟醸酒としての完成度の高さは見事と言うほかありません。

販売されてからわずか2年で既に風格すら感じさせる出来栄えで、有名老舗酒蔵の定番ブランドと比較しても何ら遜色ないレベルにまで達しています。

こうした記述からは「孤高の純米吟醸酒」のように思われるかもしれませんが、食中酒としての懐の深さも感じられます。

キビナゴのお刺身や出汁の効いた和食から、コロッケ・天ぷらやフライ等のややこってりした肴類、バターやクリームを使った洋食、地元鹿児島の脂の乗った黒豚のしゃぶしゃぶ等、和洋中どんなジャンルの料理とも好相性だと思われます。

難点を挙げるとしたらお値段が2,000円を超えてくることと、鹿児島県以外では入手がやや困難なことぐらいでしょうか。

新進気鋭のニューフェースの日本酒、もし見かけることがあれば購入して、ぜひその美味しさを感じてみて下さい!

 

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