【日本酒 テイスティング】獺祭（だっさい） 純米大吟醸 磨き三割九分 遠心分離
【基本データ】全てのバランスが抜群、お酒単体でも楽しんでほしい獺祭
・容量 ［ 720ml ］
・アルコール度数［ 16度 ］
・原産国 ［ 日本・山口県 ］
・入手難度
容易 やや困難 極めて困難
1・・・・・・・・・2・・・・・●・・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
・飲み頃の温度
冷凍 常温 ホット、熱燗
1・・・●・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
・カクテルベースとして
向いていない(難しい) 普通 向いている
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
0● 使ってはいけない（もったいない）
色合い
濃淡
無色透明 琥珀色 近黒色
0・・●・・・・・・1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4
・カラー［ 無色透明。少し薄緑の色合いも感じられる。 ］
香り
赤果実系
・イチゴ ・ラズベリー ・さくらんぼ
黒果実系
・カシス ・ブラックベリー ・ブルーベリー ・プラム ・黒色ぶどう
柑橘系
・レモン ・グレープフルーツ ・シトラス ・青リンゴ ・マスカット
トロピカルフルーツ系
・ライチ ・パイナップル
その他果実
・メロン ・桃 ・洋ナシ ・スモモ ・フランボワーズ
スパイス系他
・白・黒こしょう ・生姜（ジンジャー） ・ジャスミン茶 ・香草類（ハーブ） ・ハッカ
ミネラル系他
・石灰 ・チョーク
シリアル（穀物類）系他
・米・もち米
花・草木・自然系他
・ミント ・カエデ（メイプル） ・ハチミツ ・キンモクセイ
・大葉 ・樹脂 ・白樺（シラカバ） ・セロリ ・青竹
樽香・熟成由来の香り
・ナッツ・クルミ ・バニラ ・ドライフルーツ ・クッキー ・ビスケット
乳製品系
・ヨーグルト・乳酸 ・豆乳
ペトロール（石油）・アルコール臭系系
・セメダイン・ボンド ・歯磨き粉
コメント［切れの良い吟醸香］
アタック・第一印象
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・●・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ マイルドな飲み口。雑味が感じられない。 ］
味わい・テイスティング
甘味
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・●・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 爽やかなハチミツのような甘さ。 ］
辛み
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・●・・・・・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 辛みは抑え気味。 ］
酸味
弱い 普通 強い
0・・・・・・・・・1・●・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4
コメント［ それほど強くない。穏やか。 ］
旨味
なし 普通 強い
0・・・・・・・・・1・・・・・・・・・2・・・・●・・・・3・・・・・・・・・4
コメント［ 後口にしっかりとした米の旨み。 ］
凝縮感・熟成感
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・●・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 凝縮感は中庸。 ］
個性
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・●・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ まとまりの良さがそのまま個性となっている。 ］
味わいから感じるフレーバー
・ミネラリィ ・フローラル ・フルーティ
飲み口（風味・酒質）
・クリア ・クリーン ・スムーズ ・ピュア ・透明感 ・爽快な ・爽やか
・澄み切った ・清涼感 ・新鮮な ・繊細な ・フレッシュ ・クセのない
・さらりとした ・洗練された ・瑞々しい ・清々しい ・清らかな ・雑味のない
・しっとりとした ・優しい ・しなやかな ・きめ細やかな ・柔らかな ・綺麗な
・滑らかな ・穏やかな ・落ち着いた ・自然な ・メロー ・澱（よど）みのない
・まとまった ・ジューシーな ・口当たりの良い ・馥郁（ふくいく）とした
・エレガント ・甘やかな ・上品な ・豊かな ・芳醇な ・豊潤な ・贅沢な
・高級感のある ・艶やかな ・凛とした ・味わい深い ・華やかな ・芯のある
・厚みのある ・飲み応えのある ・深みのある ・コクのある
バランス
平凡 一般的 良好
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・●・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 全体的に良くまとまっている。 ］
ボディ・骨格
ライト ミディアム フル・ヘビー
1・・・・・・・・・2・・・・・●・・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 少し軽い酒質のミディアムボディ。 ］
フィニッシュ
短い 普通 長い
1・・・・・・・・・2・・・・●・・・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 短め。潔い切れ上がり。 ］
総評・コメント
今回ご紹介するのは「獺祭（だっさい） 純米大吟醸 磨き三割九分 遠心分離」です。
お馴染みの「獺祭ブランド」の中で、「遠心分離」という製法を取り入れたシリーズですが、その「遠心分離」の詳細について、以下見ていきたいと思います。
「日本酒の味わいの良し悪しを決めるのは、洗米と上槽（じょうそう）の工程にある」と主張する人がいるように、「上槽（じょうそう）＝醪を清酒と酒粕に分ける作業」は酒造りの重要なプロセスです。
近年では多くの酒蔵で「自動圧搾機」を使用していて、醪に圧力をかけてお酒を搾るのが一般的です。
高級な日本酒造りにおいては、醪を酒袋に入れて吊し、お酒の自重により醪を搾る無加圧式の「袋吊り」「雫取り」等の製法もあります。
これに対して、「遠心分離」は「遠心分離機」を使用して、無加圧状態で醪からお酒を分離する手法です。
これにより、純米大吟醸酒が本来潜在的に持ち合わせている「香り」や「ふくらみ」などの美質が、余すことなく引き出されるとされています。
しかしながら遠心分離機は非常に高額で、１台で何千万円もの値段になります。
更に出来上がるお酒の量が極端に少なくなり、歩留まりの悪さがコストに直結してしまうというデメリットもあります。
旭酒造ではこうした条件も踏まえた上で、より高品質なお酒を世の中に出したいという一心から、商業ベースでは日本初となる遠心分離機を２０００年に導入しました。（因みに無加圧式の「袋吊り」「雫取り」などの手法を採用しなかったのは、清酒の採取に時間がかかってしまい、「獺祭」の美質が損なわれてしまう可能性があったからだそうです。）
またこの「獺祭（だっさい） 純米大吟醸 磨き三割九分 遠心分離」においては、遠心分離機を使用して搾ったお酒と、通常の加圧式で搾ったお酒をブレンドし、「いやなところが何もない酒質」に加えて、加圧式圧搾によるパンチとコクの両立を狙ったと資料に記されています。
それでは「獺祭（だっさい） 純米大吟醸 磨き三割九分 遠心分離」のテイスティングをみていきましょう。
まず香りですが、「獺祭 磨き三割九分」に比べると全体的に上品でエレガントな印象を受けます。
「獺祭 磨き三割九分」では、様々なフルーツのニュアンスが感じられる吟醸香が立ち上がってきますが、どちらかと言えば「鋭さ」を感じさせる香りが目立ちます。
一方「磨き三割九分 遠心分離」では、その鋭さが影を潜めて、変わってよりふくよかで芳醇な香りが出てきます。
味わいについては「磨き三割九分」が軽快で滑らかな飲み口だったのに対して、こちらの「磨き三割九分 遠心分離」では「獺祭」のコクや厚み、深みのある味わいや飲み応えといった要素がより感じられます。
とは言っても、全体的には「獺祭」の特徴である「ライトな酒質」が良く出ていて、非常にまとまりの良いバランスに優れた美酒だと言えます。
敢えて欠点を挙げるとするならばその価格で、７２０ｍｌの商品で５，０００円（税込）近くなってしまいます。
とは言え上記で触れたように「遠心分離機」のコストを考えるのならば、むしろこの値段は良心的と捉えるべきなのかもしれませんね。
「ライトな酒質」が身上の獺祭なので、合わせる食事はあっさりとした白身魚の刺身やカルパッチョ等が好相性です。
個人的には「獺祭（だっさい） 純米大吟醸 磨き三割九分 遠心分離」だけを単体で、じっくりと味わってみることをオススメします！
