【ウイスキー テイスティング】ラガヴーリン12年 リミテッドエディション2012
【基本データ】あのラフロイグと双璧をなす”アイラモルトの巨人”
・酒名 ［ ラガヴーリン12年 リミテッドエディション２１０２ ］
・容量 ［ 700ml ］
・アルコール度数［ 56.1% ］
・原産国 ［ スコットランド・アイラ島 ］
・入手難度
容易 やや困難 極めて困難
1・・・2・・・3・・・4●・・5
・カクテルベースとして
難しい 普通 向いている
1・・・2・・・3・・・4・・・5
0● 使ってはいけない（もったいない）
色合い
濃淡
無色透明 琥珀色 近黒色
0・・・・・・・・●1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4
・カラー［ かなり淡いイエロー ］
香り
黒果実系
・ブルーベリー
柑橘系
・レモン ・グレープフルーツ ・シトラス
その他果実
・洋ナシ
スパイス系他
・白・黒こしょう ・香草類（ハーブ） ・ジュニパーベリー（松ヤニ） ・漢方薬
・朝鮮人参 ・イソジン ・薬草類（アニス） ・キュンメル（姫ウイキョウ）
ミネラル系他
・マッチ
シリアル（穀物類）系他
・大麦 ・ジャガイモ
花、草木、自然系他
・藁（わら） ・土 ・海草 ・海藻・潮の匂い ・サボテン類 ・キノコ類
・ピーマン・茎 ・ピート（泥炭） ・スモーク臭 ・樹脂 ・樹液
樽香、熟成由来の香り
・オーク樽香 ・バーボン樽香 ・ナッツ・クルミ ・ドライフルーツ ・レーズン
・燻香・焦げ臭 ・タバコ ・ヨード香 ・焚き火
ペトロール（石油）アルコール臭系
・ガソリン・灯油 ・シンナー臭 ・消毒液
アタック・第一印象
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4・・●・・・・・・5
コメント［ かなり大きなアタック。56.1％のカスクストレングス ］
味わい・テイスティング
甘味
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・●・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ スモークの裏に隠れたバニラの甘み ］
辛み
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・●・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 突き刺すような辛口 ］
塩味
なし 普通 強い
0・・・・・・・・・1・・・・・●・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4
コメント［ 海藻を思わせる塩気 ］
苦味・渋味
なし 普通 強い
0・・・・・・・・・1・・・・・・・・●2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4
コメント［ ピーティ、スモーキーな苦味 ］
凝縮感・熟成感
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3●・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 熟成感は12年物なり ］
個性
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・●4・・・・・・・・・5
コメント［ ”ビッグスモーク”の強烈な個性 ］
味わいから感じるフレーバー
・スパイシー ・ヨード様 ・ピーティ ・オイリー ・スモーキー
飲み口（風味・酒質）
・キリッと ・切れ味ある ・ドライ ・刺激的な ・ピリッとした
・豊かな ・確かな ・油のような ・並外れた ・際立った
・ボリュームのある ・はっきりとした ・圧倒的な
・力強い ・骨太な ・パンチの効いた ・パワフルな ・熱っぽい ・ヘビーな
・強烈な ・荒々しい ・インパクトのある ・キックの強い ・むせかえるような
・ビッグな ・複雑な ・クセのある ・爆発したような ・病みつきになる
・焦げたような ・個性的な ・埃っぽい ・猛々（たけだけ）しい
バランス
平凡 一般的 良好
1・・・・・・・・・2・・・・・・●・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ もう一つ。香りがやや暴れている印象 ］
ボディ・骨格
ライト ミディアム フル・ヘビー
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・●・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 意外にミディアム寄りのボディ ］
フィニッシュ
短い 普通 長い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・●4・・・・・・・・・5
コメント［ 長い。オイリー、スモーキー、ピーティなニュアンスが口の中に残り続ける ］
総評・コメント
今回は「ラガヴーリン１２年リミテッドエディション２０１２」をご紹介します。
「ラガヴーリン蒸留所」の創業は１８１６年、ジョン・ジョンストン氏によってアイラ島の南岸のラガヴーリン湾を臨む土地に建てられました。
「ラガヴーリン」とはゲール語で「水車小屋のある窪地」を意味していて、実際に「ラガヴーリン蒸留所」の周辺にはジメジメとした湿地帯（ピート層）が広がっているそうです。
また、「ラガヴーリン蒸留所」からわずか１㎞ほどしか離れていない場所には、以前ご紹介した「ラフロイグ蒸留所」が佇んでいます。
他のアイラ島の蒸留所と同様、スモーキーでピーティ、「正露丸のような匂い」は「ラガヴーリン」でも健在ですが、その品質の高さにも定評があり、ウィスキー評論家の故「マイケルジャクソン」氏は、「マッカラン２５年」と並んで「ラガヴーリン１６年」に９５点という高得点をつけました。
「ラガヴーリン１６年」は「ラガヴーリン蒸留所」のフラッグシップ的な存在ですが、こちらの「ラガヴーリン リミテッドエディション」は少しずつ味わいを変えてリリースされています。
例えばこちらの「２０１２」ではアルコール度数５６．１％でリリースされていますが、「２０１４」では５４．４％と、カスクストレンクスではありますが、年によって５４度～５８度程度の差があります。
従って上記のテイスティングコメントでも触れたように、年度指定でボトルを入手しようとすると（特に年度の古いボトルになればなるほど）入手難易度は跳ね上がります。
カスクストレンクスの「ラガヴーリン」は、一言で言えば「若くて荒々しいラガヴーリン」なのですが、「ラガヴーリン１６年」の個性を前面に押し出したような強烈な味わいです。
この「ラガヴーリン１２年リミテッドエディション２０１２」のテイスティングですが、香りと味わいのバランスがもう一つでした。
香りがやや暴れているという印象を受けましたが、加水すると一気に表情が変わります。
トータルバランスの統一感が生じ、飲み口にはバニラのような濃厚な甘みが感じられます。
「これをあと４年間熟成させたなら、あのラガヴーリン１６年になるのだな」と思わせる風格があります。（岩戸の奥から徐々に「ラガヴーリン１６年」が姿を現してくるようなイメージです。）
もちろん、ダイレクトにカスクストレンクス（ニート＝ストレート）で荒々しさを楽しむこともいいですが、「２０１２」は加水をして本来の「ラガヴーリン」の持つポテンシャルを味わうことをオススメします！
