【ウイスキー テイスティング】カバラン ソリスト EXバーボンカスクストレンクス
【基本データ】まるで”フルーツウィスキー”、カバランの魅力が凝縮された１本
・酒名 ［ カバラン ソリスト EXバーボンカスクストレンクス ］
・容量 ［ 700ml ］
・アルコール度数［ 57.8% ］
・原産国 ［ 台湾 ］
・入手難度
容易 やや困難 極めて困難
1・・・2・・・3・・●4・・・5
・カクテルベースとして
難しい 普通 向いている
1・・・2・・・3・・・4・・・5
0● 使ってはいけない（もったいない）
色合い
濃淡
無色透明 琥珀色 近黒色
0・・・・・・・・・1・・・・・・・・・2・●・・・・・・・3・・・・・・・・・4
・カラー［ ややブラウンがかった黄金色 ］
香り
赤果実系
・ラズベリー ・さくらんぼ ・リンゴ
黒果実系
・カシス ・プラム ・黒色ぶどう
柑橘系
・オレンジ ・青リンゴ ・マスカット
トロピカルフルーツ系
・マンゴー ・パイナップル ・キウイ
その他果実
・メロン ・桃 ・洋ナシ ・アプリコット（杏） ・フランボワーズ
スパイス系他
・白・黒こしょう ・生姜（ジンジャー）
シリアル（穀物類）系他
・大麦
花、草木、自然系他
・ラベンダー ・ミント ・ハチミツ ・青草
・ココナッツ ・キンモクセイ
樽香、熟成由来の香り
・オーク樽香 ・バーボン樽香 ・バニラ
・ドライフルーツ ・レーズン ・ビスケット
アタック・第一印象
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・●・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 57.8％の度数からは想像できないほど優しい飲み口 ］
味わい・テイスティング
甘味
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4●・・・・・・・・5
コメント［ 南国フルーツやバニラ、ハチミツの甘みが口の中に一気に広がる ］
辛み
弱い 普通 強い
1・・●・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 後口に微かにスパイシー ］
苦味・渋味
なし 普通 強い
0・・・・●・・・・1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4
コメント［ 心地よいウッドネス由来の苦味 ］
凝縮感・熟成感
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・●・・4・・・・・・・・・5
コメント［ フルーツのような凝縮感がかなり強い ］
個性
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4●・・・・・・・・5
コメント［ ”台湾ウィスキー”という新境地を切り開いたユニークさ ］
味わいから感じるフレーバー
・スパイシー ・ウッディ ・フローラル ・フルーティ
飲み口（風味・酒質）
・クリーン ・スムーズ ・ピュア ・爽やか ・澄み切った ・繊細な ・フレッシュ
・洗練された ・生き生きとした ・鮮やかな ・瑞々しい ・香（かぐわ）しい
・ピリッとした ・じんわり ・しっとりとした ・優しい ・シルキー
・クリーミー ・しなやかな ・きめ細やかな ・柔らかな ・綺麗な ・滑らかな
・まろやかな ・ソフト ・自然な ・精妙な ・ジューシーな ・伸びやかな
・まったりとした ・とろけるような ・馥郁（ふくいく）とした ・優美な
・エレガント ・甘やかな ・甘美な ・上品な ・ビロードのような ・豊かな
・奥深い ・芳醇な ・豊潤な ・ふくよかな ・高級感のある ・味わい深い
・リッチな ・並外れた ・際立った ・しっかりした ・華やかな
・飲み応えのある ・深みのある ・濃厚な ・独特の ・ユニークな
・複雑な ・特別な ・個性的な
バランス
平凡 一般的 良好
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4・●・・・・・・・5
コメント［ 香りと味わいに一体感がある。見事なバランスを実現 ］
ボディ・骨格
ライト ミディアム フル・ヘビー
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・●・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ アルコール度数に惑わされなければ典型的なミディアムボディ ］
フィニッシュ
短い 普通 長い
1・・・・・・・・・2・・・・●・・・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ フィニッシュはそれほど長くない ］
総評・コメント
今回ご紹介するのは台湾のウィスキー、「カバラン ソリスト」です。
「台湾でウィスキー？」と訝しがる方もいるかもしれませんが、既に現在では世界的にも絶大な人気を博しているウィスキーで、数々のコンペティションでも賞を総ナメにする存在にまでなっています。
とは言ってもその歴史は浅く、「カバラン蒸留所」の設立は２００５年、商品がリリースされたのは２００８年と、ごく最近のことです。
ご存じのようにウィスキー造りは寒冷地で行なうのが常識で、台湾のような亜熱帯の地域でウィスキーを作るのは前代未聞の行為でした。
しかしながら「カバラン蒸留所」はこの逆境を逆手にとり、温暖な気候を利用して熟成のスピードを早め、寒冷地なら２０年はかかる熟成を３年で同等レベルまで引き上げる製法を開発します。
実際この製法で造られたウィスキーは、「天使の分け前」と呼ばれる樽熟成期間中の蒸発分が、年間１０％にまで達するそうです（スコッチでは年間１～３％程度）。
他にも発酵に使用する酵素は、台湾の野生酵母を使って独自の培養を行なっており、これが「カバラン」独特のトロピカルフルーツのような甘みやフレーバーを生み出すと言われています。
因みに「カバラン」ですが、蒸留所のある台湾北東部の宜蘭県（イーラン県）の先住民「カバラン族」から名付けられています。
上記のように「カバラン蒸留所」の挑戦は決して無謀な行為ではなく、本番スコットランドの製法を綿密にリサーチし、これに加えて科学的な分析を徹底的に行った上で出来上がったウィスキーです。
台湾の自然と高度な科学が融合した結果、必然的に出来上がった高品質モルトだと言えます。
今回ご紹介する「カバラン ソリスト ＥＸバーボンカスクストレンクス」は、その名の通りバーボン樽により熟成させたカスクストレンクスのハイプルーフバージョンです。
上述したようにトロピカルフルーツ系の甘みやアロマには傑出したものがあり、これがカバランに唯一無二の個性を与えています。
他のウィスキーでこのような特性を備えているのは、１９６０年代の「ボウモア」や「グレンモーレンジ１８年」、あるいはジャンルが異なりますがコニャックの「ポールジロ－」くらいでしょうか。
ただ相違点もはっきりしていて、前述したスコッチでは南国フルーツの甘みに加えてウッディ・ピーティ・スモーキーなどのニュアンスも兼ね備えているのに対し、「カバラン」ではそういった要素がかなり（おそらく意図的に）抑えられています。
逆にそれが新たなウィスキーファンの拡大に寄与しているようにも思えて、「フルーツウィスキー」と形容できるような新ジャンルを切り拓いています。
この「カバラン ソリスト」はカスクストレンクですので、カバランの魅力である「トロピカルフルーツ」の甘みやアロマを十分に引き出すには、加水をして４５％前後に調整して味わうことをオススメします！
「カバラン蒸留所」の成功以降、台湾では「南投蒸留所（商品名は“オマー”）」も稼働しています。
これからが楽しみな台湾ウィスキーの動向に注目して行きたいと思います！
