【ウイスキー テイスティング】カナディアンクラブ オールドボトル
【基本データ】35年の時を超えてなお瑞々しさを保つ奇跡のオールドボトル
・酒名 ［ カナディアンクラブ オールドボトル ］
・容量 ［ 750ml ］
・アルコール度数［ 40% ］
・原産国 ［ カナダ オンタリオ州 ］
・入手難度
容易 やや困難 極めて困難
1・・・2・・・3・・●4・・・5
・カクテルベースとして
難しい 普通 向いている
1・・・2・・・3・・・4・・・5
0● 使ってはいけない（もったいない）
色合い
濃淡
無色透明 琥珀色 近黒色
0・・・・・・・・・1・・・・●・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4
・カラー［ かなり薄いゴールド色。透明感あり ］
香り
赤果実系
・イチゴ ・ラズベリー ・さくらんぼ□ザクロ ・リンゴ
黒果実系
・カシス ・ブルーベリー ・黒色ぶどう
柑橘系
・オレンジ ・青リンゴ ・マスカット
トロピカルフルーツ系
・マンゴー ・パイナップル
その他果実
・メロン ・桃 ・洋ナシ ・フランボワーズ
スパイス系他
・シナモン ・香草類（ハーブ） ・カモミール
シリアル（穀物類）系他
・大麦 ・ライ麦 ・とうもろこし
花、草木、自然系他
・ミント ・カエデ（メイプル） ・ハチミツ ・キンモクセイ
樽香、熟成由来の香り
・オーク樽香 ・カラメル ・バニラ ・ドライフルーツ
アタック・第一印象
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・●・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 生き生きとしたアタック。舌にピリッとくる ］
味わい・テイスティング
甘味
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・●・・4・・・・・・・・・5
コメント［ メイプルシロップやフルーツの上品な甘さ ］
辛み
弱い 普通 強い
1・・●・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 舌触りで若干のスパイシーさ ］
苦味・渋味
なし 普通 強い
0・・・・・・・・・1●・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4
コメント［ 余韻でたゆたう樽由来の爽やかな渋み ］
凝縮感・熟成感
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・●・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 6年を超える熟成期間以上に、味わいの凝縮感が強い ］
個性
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4・・・・・●・・・5
コメント［ 現行のC.Cとは全く異なる味わい。素晴らし個性 ］
味わいから感じるフレーバー
・ウッディ ・フローラル ・フルーティ
飲み口（風味・酒質）
・ピュア ・透明感 ・デリケート ・爽快な ・爽やか ・鮮烈な ・新鮮な
・繊細な ・フレッシュ ・洗練された ・生き生きとした ・溌剌とした
・若々しい ・鮮やかな ・瑞々しい ・香（かぐわ）しい ・清らかな
・マイルド ・しっとりとした ・優しい ・シルキー ・クリーミー
・しなやかな ・きめ細やかな ・柔らかな ・綺麗な ・滑らかな
・まろやかな ・ソフト ・穏やかな ・落ち着いた ・自然な ・温かな
・メロー ・精妙な ・口当たりの良い ・伸びやかな ・とろけるような
・馥郁（ふくいく）とした ・優美な ・エレガント ・甘やかな ・暖かみのある
・甘美な ・上品な ・上質な ・ビロードのような ・豊かな ・奥深い
・芳醇な ・豊潤な ・ふくよかな ・円熟した ・艶やかな ・味わい深い
・確かな ・リッチな ・偉大な ・絶妙な ・非凡な ・並外れた
・しっかりした ・華やかな ・厚みのある ・飲み応えのある ・深みのある
・コクのある ・濃厚な ・ボリュームのある ・はっきりとした ・独特の
・ユニークな ・凝縮感のある ・特別な ・個性的な
バランス
平凡 一般的 良好
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4・・・●・・・・・5
コメント［ 香り、味わい、骨格など極めて高次元でバランスしている ］
ボディ・骨格
ライト ミディアム フル・ヘビー
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・●・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ しっかりとしたボディ。ややフルボディ寄りのミディアムボディ ］
フィニッシュ
短い 普通 長い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・●・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ フルーツのような甘さが残るものの、切れ上がりは早め ］
総評・コメント
今回ご紹介するのは「カナディアンクラブ（オールドボトル）」です。
ご覧いただけると一目瞭然ですが、現行の「カナディアンクラブ」とはラベルデザインが全く異なります。
個人的な感想になってしまいますが、こちらのＯＢのボトルデザインのほうが風情があって美味しそうな印象を受けます。
因みに、このくすんだようなラベルの色合いも好みなのですが、どうやらこれは日焼けのようで、きちんと保管されていたラベルは背景が真っ白だったと思われます。
このＯＢですが、ある程度の年代を推測できるいくつかの情報があります。
１９９２年の「世界の名酒事典」を見てみると、同じラベルデザインの「カナディアンクラブ」が掲載されています（ただしラベルの背景は真っ白）。
そしてこのＯＢのボトルネックにはウィスキー品質確保のためのシールが貼られていて、そこには「１９８６年」との記載があります。
一方でこのＯＢには「特級」の表示がないため、１９８９年以降に日本に輸出されてきたことになります。
従ってこのＯＢは１９８６年にカナダで瓶詰めされ、１９８９年以降に日本に輸入されたボトルだと推測されます。
余談ですが、１９９０年代後半の「カナディアンクラブ」はこのボトルデザインが変更され、ボトル上部に蒸留所設立の「１８５８年」が大きく刻印されています。
逆に１９８０年代前半より以前のＯＢは、アルコール度数が「４３％」となっていて、こういった情報からもある程度の生産年の特定が可能です。
そしてこのＯＢのテイスティングですが、ラベルデザインのみならず味わいも全く異なっていて、同じ「カナディアンクラブ」とは思えないほどです。
まず色合いですが、ＯＢは現行のＣ．Ｃ．と比べてかなり薄いゴールド色です。
一方、現行のＣ．Ｃ．では香りがほとんど感じられず、まるで「ウオッカ」のようだとコメントしましたが、このＯＢは驚く程豊かな南国フルーツの香りが匂い立ちます。
更に味わいについてですが、現行のＣ．Ｃ．がどこか人工的なシロップやバニラの甘さだったのに対し、こちらのＯＢは樽熟成由来のフルーツやメイプルシロップのような自然な甘さが際立っていて、トータルバランスの良さには特筆すべきものがあります。
３５年も前にボトリングされたとは思えない、溌剌としたアロマやニュアンス、テクスチャー等が存分に楽しめます。
正にオールドボトルの醍醐味を堪能できる奇跡的な一本です。
今となっては入手は極めて困難ですが、スコッチやジャパニーズと違ってカナディアンウィスキーであれば、比較的安価で購入できるチャンスもあります。
カナディアンウィスキーのカテゴリを超えた、あらゆるジャンルを通じての「傑作ウィスキー」です。
見かける機会があれば、ぜひお試しください！
