【ウィスキー テイスティング】グレンフィディック18年 スモールバッチ・リザーブ
【基本データ】豊かな樽香、モルティな甘みが楽しめるフィディックの長期熟成品
・酒名 ［ グレンフィディック18年 スモールバッチ・リザーブ ］
・容量 ［ 700ml ］
・アルコール度数［ 40% ］
・原産国 ［ スコットランド・スペイサイド地方 ］
・入手難度
容易 やや困難 極めて困難
1・・・2・・●3・・・4・・・5
・カクテルベースとして
難しい 普通 向いている
1・・・2・・・3・・・4・・・5
0● 使ってはいけない（もったいない）
色合い
濃淡
無色透明 琥珀色 近黒色
0・・・・・・・・・1・・・・・・・・・2・・・・・●・・・3・・・・・・・・・4
・カラー［ 透明感があり濃い目のブラウン。やや赤みがかっている ］
香り
赤果実系
・ザクロ ・リンゴ
黒果実系
・プラム
柑橘系
・シトラス
その他果実
・アプリコット（杏） ・イチジク ・マーマレード
スパイス系他
・白・黒こしょう ・生姜（ジンジャー） ・シナモン ・ウーロン茶
・リンドウ ・オレンジピール ・漢方薬 ・イソジン
シリアル（穀物類）系他
・大麦 ・焼いたパン・トースト
花・草木・自然系他
・梅 ・カエデ（メイプル） ・ハチミツ ・枯れ草 ・藁（わら）
・土 ・サトウキビ（黒糖） ・ピーマン・茎 ・スモーク臭
樽香・熟成由来の香り
・オーク樽香 ・シェリー樽香 ・バーボン樽香 ・アーモンド ・ナッツ ・クルミ
・バニラ ・ドライフルーツ ・プルーン ・燻香・焦げ臭 ・ヨード香
ペトロール（石油）・アルコール臭系
・革製品
アタック・第一印象
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・●・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ ピリッと舌にくるアタック ］
味わい・テイスティング
甘味
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・●・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ アルコール、麦芽、バニラ様の甘み ］
辛み
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・●・・・・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ どちらかと言えば後半になってスパイシーさが顔をだす ］
苦味・渋味
なし 普通 強い
0・・・・・・・・・1●・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4
コメント［ 少しのどに引っかかるような苦み ］
凝縮感・熟成感
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・●・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 凝縮間、熟成感ともにしっかり感じる ］
個性
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3●・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ フィディック18年ボトルとしては、やや個性が弱い ］
味わいから感じるフレーバー
・スパイシー ・ヨード様 ・ウッディ ・フルーティ
飲み口（風味・酒質）
・マイルド ・じんわり ・しっとりとした ・滑らかな ・まろやかな
・温かな ・メロー ・丸みのある ・まったりとした ・甘やかな
・暖かみのある ・上品な ・豊かな ・奥深い ・味わい深い ・確かな
・しっかりした ・芯のある ・深みのある ・コクのある ・熱っぽい
バランス
平凡 一般的 良好
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・●3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 少々まとまりに欠ける感じがある。統一感が今ひとつ ］
ボディ・骨格
ライト ミディアム フル・ヘビー
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・●・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 少し熱を帯びたミディアムボディ ］
フィニッシュ
短い 普通 長い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・●・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ ウッディな余韻が長く続く ］
総評・コメント
今回ご紹介するのは「グレンフィディック１８年スモールバッチ・リザーブ」です。
「グレンフィディック蒸留所」の創業は１８８７年（１８８６年とする説もありますが、ここではボトルの刻印年に従います）、スペイサイドの町「ダフタウン」でウィリアム・グラント氏により設立されました。
当時、ウィリアム・グラント氏とその家族が総出で蒸溜所の立ち上げに関わっていて、その伝統は現在にも引き継がれ今でもグラント一族による家族経営が行なわれています。（余談ですが、グレンフィディックで働く職人は終身雇用制だそうです。）
「グレンフィディック」という名前は、蒸溜所の建てられた場所が「フィディック川の谷」であったことに因んで「グレンフィディック」と名付けられたのだとか（ゲール語で「グレン＝谷」、「フィディック＝鹿」）。
このため、今でもボトルには鹿のモチーフがデザインされていますね。
ダフタウンの町はスペイサイド地方でも特に蒸溜所が密集している地域で、「ダフタウン」「モートラック」「クレイゲラヒ」「バルヴェニー」「キニンヴィー」などがあります。
このうち「バルヴェニー」と「キニンヴィー」は「グレンフィディック」と姉妹蒸溜所の関係にあり、蒸留所は「グレンフィディック」に隣接しています。
「グレンフィディック」は世界で最も売れているスコッチモルトとしても知られていて、ライバルの「グレンリベット」を抜いて、今では世界で売れているシングルモルトの４０％弱を占めるとも言われています。
この「グレンフィディック１８年スモールバッチ・リザーブ」ですが、「バーボン樽（アメリカンオーク）」と「オロロソ・シェリー樽（スパニッシュオーク）」でそれぞれ最低でも１８年以上寝かせた原酒をヴァティング、その後小さな樽（スモールバッチ）で、３カ月以上追加熟成（後熟）させたボトルです。
「スモールバッチ」で熟成をさせると、樽の表面積が小さいことから逆に原酒と樽が触れ合う時間が長くなり、より短期間で樽の風味をつけることが可能になります。
この「グレンフィディック１８年スモールバッチ・リザーブ」の味わいですが、樽由来の豊かなコクや風味、モルティでバニラのような複雑な甘みなど、確かに「グレンフィディック」を思わせるいくつかの特長を感じることができます。
一方で、２０１６年のリニューアル前のボトルと比較すると、トータルバランスや完成度の高さでは見劣りする気がします。
もともと「グレンフィディック」は、いい意味でも悪い意味でも年代によって味わいのブレが大きく、常に挑戦を繰り返すその姿勢がウィスキーの作り手としての気概のようなものを感じさせてくれました。
今回ご紹介したボトルもまた、新しくリニューアルされるようで、ぜひ新ボトルを試してみたいと思います。
とはいえ１８年というロングエイジのモルトをこの値段（７０００円台）で販売するというのは、いい意味で非常識です（ジャパニーズウィスキーの値付けのほうが異常なのかもしれませんが）。
値段と品質のバーターで考えれば、間違いなく買っておいて損のない一本です！
