【ウィスキー テイスティング】ザ ブラックプリンス17年 陶器 オールドボトル
【基本データ】今では貴重なライトタイプスコッチの傑作ウイスキー
・酒名 ［ ザ ブラックプリンス17年 陶器 オールドボトル ］
・容量 ［ 推定750ml ］
・アルコール度数［ 推定43% ］
・原産国 ［ スコットランド ］
・入手難度
容易 やや困難 極めて困難
1・・・2・・・3・●・4・・・5
・カクテルベースとして
難しい 普通 向いている
1・・・2・・・3・・・4・・・5
0● 使ってはいけない（もったいない）
色合い
濃淡
無色透明 琥珀色 近黒色
0・・・・・・・・・1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3●・・・・・・・・4
・カラー［ かなり赤褐色がかったブラウン色。赤みのほうが強い ］
香り
赤果実系
・イチゴ ・ラズベリー ・さくらんぼ ・リンゴ
黒果実系
・カシス ・ブラックベリー ・ブルーベリー ・プラム ・黒色ぶどう
柑橘系
・レモン ・グレープフルーツ ・オレンジ ・シトラス ・青リンゴ ・マスカット
トロピカルフルーツ系
・マンゴー ・パイナップル
その他果実
・メロン ・桃 ・洋ナシ ・アプリコット（杏）
・バナナ ・フランボワーズ ・マーマレード
スパイス系他
・白・黒こしょう ・シナモン ・紅茶 ・ジャスミン茶
・香草類（ハーブ） ・オレンジピール
シリアル（穀物類）系他
・大麦 ・小麦 ・とうもろこし
花・草木・自然系他
・バラ ・スミレ ・ラベンダー ・梅 ・カエデ（メイプル） ・ハチミツ
・土 ・サトウキビ（黒糖） ・落ち葉 ・ココナッツ ・スモーク臭 ・キンモクセイ
樽香・熟成由来の香り
・オーク樽香 ・シェリー樽香 ・バーボン樽香 ・カカオ ・アーモンド
・カラメル ・バニラ ・ドライフルーツ ・レーズン ・ビスケット
アタック・第一印象
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・●・・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ フルーツの香りの複雑性に反比例するようにアタックは柔らか。 ］
味わい・テイスティング
甘味
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・●・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 押し出しの強い甘さではないが、フルーツの甘さが引き立つ。 ］
辛み
弱い 普通 強い
1●・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 辛みはほぼ感じられない。 ］
酸味
なし 普通 強い
0・・・・・●・・・1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4
コメント［ 僅かな酸味。 ］
苦味・渋味
なし 普通 強い
0・・・・・・・・●1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4
コメント［ 樽由来の爽やかな苦味。 ］
凝縮感・熟成感
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・●・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 熟成感はまずまずだが、凝縮感を感じる。 ］
個性
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・●・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ ライトタイプのスコッチの1つの到達点。 ］
味わいから感じるフレーバー
・ウッディ ・フローラル ・フルーティ
飲み口（風味・酒質）
・クリーン ・スムーズ ・ピュア ・デリケート ・爽やか ・澄み切った
・繊細な ・洗練された ・若々しい ・瑞々しい ・清らかな ・雑味のない
・じんわり ・しっとりとした ・優しい ・シルキー ・しなやかな ・きめ細やかな
・柔らかな ・綺麗な ・滑らかな ・まろやかな ・ソフト ・穏やかな
・落ち着いた ・軽やかな ・自然な ・温かな ・ほんのり ・素朴な ・メロー
・心地よい ・口当たりの良い ・馥郁（ふくいく）とした ・甘やかな ・暖かみのある
・上質な ・気品のある ・芳醇な ・味わい深い ・滋味深い
バランス
平凡 一般的 良好
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・●・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 香りの素晴らしさが際立つが、味わいもじっくり楽しめる。 ］
ボディ・骨格
ライト ミディアム フル・ヘビー
1・・・・・・・・●2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 近年ではあまり見られないようなライトボディ。 ］
フィニッシュ
短い 普通 長い
1・・・・・・・・・2・・・・・・●・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ フィニッシュは短め。余韻は弱い。 ］
総評・コメント
今回ご紹介するのは「ザ・ブラック・プリンス１７年（陶器・オールドボトル）」です。
最初に申し上げておきますが、この「ブラック・プリンス」に関しては正確な情報が収集しきれませんでした。
ボトルに具体的な情報が何もないこともその理由ですが（上記テイスティングの「基本データ」で、アルコール度数や容量を「推定」としているのもそのためです），ネット上でもほとんど検索できません。
１９９２年発行の「世界の名酒事典」で、同形ボトルが「ザ・ブラック・プリンス１７年」として紹介されているのでこのように表記させてもらいましたが、ボトルネックには「１７年」熟成の文字もありません。
万が一間違った情報をお伝えしてしまった際には、予めお詫び申し上げます。
まず「ブラック・プリンス」という名前ですが、ハリウッド映画のタイトルを思わせるような格好いいネーミングですね。
と言っても実際は実在の人物で、１４世紀中期の「百年戦争」の際に活躍した「エドワード皇太子」のニックネームを指しています。
彼はいつも出陣の際に黒い甲冑を纏っていたことから「黒太子（こくたいし）＝ＢｌａｃｋＰｒｉｎｃｅ」と呼ばれていたそうです。
この「ブラック・プリンス」を販売する「バーン・スチュアート社」の歴史は浅く、創業は１９８８年です。
もともと第二次世界大戦前からブレンデッドスコッチを販売していた、ヨーロッパ系の会社からブランドの権利を譲り受け、「ブラック・プリンス」の名称で１９８８年から販売を開始しました。
このボトルもこの頃のオールドボトルだと推定され、約３０年前の流通品だと思われます。
最近では大手酒販店でも「ブラック・プリンス」のボトルを見かけることは少なくなり、シリーズが終売されたとまではいかなくても、日本への輸入はストップしてしまっているのかもしれません。
「ザ・ブラック・プリンス１７年（陶器・オールドボトル）」ですが、キーモルトはキャンベルタウンの「グレンスコシア」で、確かに「グレンスコシア」を想起させるような上品な甘さやキレ上がりの良さを感じることができます。
「ザ・ブラック・プリンス１７年（陶器・オールドボトル）」のテイスティングですが、一言で言えば「繊細なウィスキー」です。
酒質や飲み口も非常にライトで、最近のスコッチになかなか見られない特長です。
かつオールドボトルとしての美質もしっかりと備えていて、現在の「人工的なアルコール臭がする軽いスコッチ」とは一線を画しています。
特に香りの面では出色の出来栄えで、様々なフルーツや花の香りが現れては消えていきます。
オールドボトルでしか実現できないアロマです。
現在の主流となる「骨格のはっきりとした個性的なウィスキー」とは真逆の味わいで、ライトタイプのスコッチの１つの到達点を示したボトルと言っても過言ではありません。
たまの休日の午後、近所の公園にスキットルボトル持参で出かけていって、のんびり寛ぎながら慈しむように少しずつ（ストレートで）嗜んでいただきたいスコッチです！
