【ウィスキー テイスティング】バランタイン 30年
【基本データ】悠久の時に思いを馳せながら味わう最高級スコッチ
・酒名 ［ バランタイン30年 ］
・容量 ［ 700ml ］
・アルコール度数［ 40% ］
・原産国 ［ スコットランド ］
・入手難度
容易 やや困難 極めて困難
1・・・2・・・3・●・4・・・5
・カクテルベースとして
難しい 普通 向いている
1・・・2・・・3・・・4・・・5
0● 使ってはいけない（もったいない）
色合い
濃淡
無色透明 琥珀色 近黒色
0・・・・・・・・・1・・・・・・・・・2・・●・・・・・・3・・・・・・・・・4
・カラー［ ３０年以上の長期熟成原酒を使っているとは思えないほどの鮮やかなゴールド。 ］
香り
赤果実系
・イチゴ ・ザクロ ・リンゴ
黒果実系
・カシス ・プラム ・黒色ぶどう
柑橘系
・グレープフルーツ ・オレンジ
トロピカルフルーツ系
・パイナップル
その他果実
・洋ナシ ・アプリコット（杏） ・イチジク ・マーマレード
スパイス系他
・白・黒こしょう ・シナモン ・紅茶 ・ウーロン茶
・香草類（ハーブ） ・オレンジピール ・漢方薬 ・イソジン
ミネラル系他
・マッチ
シリアル（穀物類）系他
・大麦 ・小麦 ・とうもろこし ・焼いたパン・トースト
花・草木・自然系他
・ハチミツ ・藁（わら） ・土 ・腐葉土 ・サボテン類 ・サトウキビ（黒糖）
・ピーマン・茎 ・ピート（泥炭） ・スモーク臭 ・木皮・木の根 ・鰹節・出汁
樽香・熟成由来の香り
・オーク樽香 ・シェリー樽香 ・バーボン樽香 ・コーヒー
・チョコレート ・カラメル ・バニラ ・ドライフルーツ
・レーズン ・プルーン ・燻香・焦げ臭 ・ヨード香 ・炭 ・焚き火
ペトロール（石油）・アルコール臭系
・革製品 ・ダンボール
アタック・第一印象
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・●・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ ウッディなニュアンスの強いアタック。 ］
味わい・テイスティング
甘味
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3●・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ やや弱めのバニラの甘さ。 ］
辛み
弱い 普通 強い
1・・・・●・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ ピリッとスパイシーさ。 ］
苦味・渋味
なし 普通 強い
0・・・・・・・・・1・・・・・・・・・2・・・・・●・・・3・・・・・・・・・4
コメント［ シェリー樽由来と思われる強めの苦味。 ］
凝縮感・熟成感
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・●4・・・・・・・・・5
コメント［ 樽の風味が味わいにしっかり移っている。 ］
個性
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4●・・・・・・・・5
コメント［ “スコッチの最高峰”としての個性。 ］
味わいから感じるフレーバー
・ヨード様 ・ウッディ ・フルーティ ・スモーキー
飲み口（風味・酒質）
・香（かぐわ）しい ・しっとりとした ・柔らかな
・馥郁（ふくいく）とした ・エレガント ・暖かみのある
・上質な ・気品のある ・豊かな ・奥深い ・芳醇な
・豊潤な ・贅沢な ・高級感のある ・円熟した ・味わい深い
・確かな ・リッチな ・非凡な ・しっかりした ・芯のある
・厚みのある ・飲み応えのある ・深みのある ・ボリュームのある
・スケール大きい ・力強い ・骨太な ・重厚な ・複雑な
・重層的な ・凝縮感のある ・特別な ・焦げたような ・個性的な
バランス
平凡 一般的 良好
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・●・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 優れたバランス。超熟原酒をうまく味わいに反映させている。 ］
ボディ・骨格
ライト ミディアム フル・ヘビー
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・●4・・・・・・・・・5
コメント［ 重厚な飲み口。フルボディに近い。 ］
フィニッシュ
短い 普通 長い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4●・・・・・・・・5
コメント［ 焦げたような後味が長く口に残り続ける。 ］
総評・コメント
今回ご紹介するのは「バランタイン３０年」です。
言わずと知れたバランタインシリーズの最上位に位置づけられるラインナップで、「ロイヤルハウスホールド」や「ロイヤルサルート２１年」等と並んで「ブレンデッドスコッチの最高峰」とも称される逸品です。
「スコッチの最高峰」という呼び名に相応しく、ハイエンドクラスのブランドの中でも１，２を争う値段になっていて、現在では２５，０００円～３０，０００円で販売されています。
１９９０年代までは約８０，０００円で売られていましたから、これでも随分ディスカウントされていることになります。
当然、おいそれと手に入るような存在ではなく、ウィスキーファンにとって「一生に一度でいいから飲んでみたいウィスキー」、いわば「高嶺の花」的なブランドがこの「バランタイン３０年」です。
化粧箱も実に豪華で、捨てるのが惜しくなるほどの意匠になっています。
「バランタイン３０年」は、４０種類ものモルト原酒と５種類のグレーンウィスキー原酒をブレンドして作るブレンデッドスコッチですが、「バランタイン１７年」でも述べたように詳細の配合やレシピは不明です。
１つ確かなのは、「３０年」を名乗る以上全ての原酒は３０年以上熟成させる必要があり、宝石のような貴重な原酒をブレンドさせてこの名酒は誕生するということです。
こうした貴重な超熟原酒は正に「宝物」であり、これを盗もうとする不逞の輩も現れます。
バランタイン社では泥棒から原酒を守るため、倉庫の敷地内にガチョウを放し飼いにするというユニークな「警備」方法をとっています。
不審者が倉庫に近づくと、ガーガーと騒ぎ立てるという訳ですね。
この「ダチョウの警備員」は１００羽以上いて、「スコッチ・ウオッチ（ＳＣＯＴＣＨＷＡＴＣＨ）」と呼ばれているそうです。
どこか牧歌的で心が和む、微笑ましい光景ですね。
「バランタイン３０年」のテイスティングですが、抜栓直後よりも少し時間をおいて空気に馴染ませるようにしたほうが、こなれてくる印象を受けました。
味わいについてですが、端的に言えば「バランタイン１７年に重厚さ・深みを加えた」イメージです。
と言ってもそんな単純なものではなく、香りから味わいに至るまで何度も重層的に様々な要素が現れては消えていきます。
３０年以上熟成させた原酒群は、今もなお枯れることなく生き生きとボトルの中で躍動していて、改めてそれぞれの原酒の持つポテンシャルの高さに驚かされます。
また、それらの原酒のポテンシャルを余すことなく引き出して、クラシックの交響曲のように１つの作品に仕立て上げるブレンダーの卓越したブレンディング技術にも脱帽です。
簡単に手の出るボトルではありませんが、人生の記念日を迎えるような時、じっくりと幸せを噛みしめたいような時に、慈しむように味わうウィスキーとしてはもってこいの一本です！
