【ウィスキー テイスティング】ディンプル 陶器デキャンター オールドボトル
【基本データ】軽快で上品、吟醸酒を思わせるようなディンプルのＯＢ
・酒名 ［ ディンプル 陶器デキャンター オールドボトル ］
・容量 ［ 750ml ］
・アルコール度数［ 43% ］
・原産国 ［ スコットランド ］
・入手難度
容易 やや困難 極めて困難
1・・・2・・・3・●・4・・・5
・カクテルベースとして
難しい 普通 向いている
1・・・2・・・3・・・4・・・5
0● 使ってはいけない（もったいない）
色合い
濃淡
無色透明 琥珀色 近黒色
0・・・・・・・・・1・・・・・・・・・2・・●・・・・・・3・・・・・・・・・4
・カラー［ ディンプル１２年とほぼ同様の琥珀色。 ］
香り
赤果実系
・イチゴ ・ラズベリー ・さくらんぼ
黒果実系
・カシス ・ブルーベリー ・プラム
柑橘系
・レモン ・ライム ・グレープフルーツ ・シトラス ・青リンゴ
トロピカルフルーツ系
・マンゴー ・パイナップル
その他果実
・メロン ・洋ナシ ・アプリコット（杏） ・スモモ
スパイス系他
・白・黒こしょう ・シナモン ・緑茶 ・ジャスミン茶
・香草類（ハーブ） ・オレンジピール ・香辛料
ミネラル系他
・石灰 ・貝殻
シリアル（穀物類）系他
・大麦 ・小麦 ・とうもろこし
花・草木・自然系他
・ラベンダー ・ミント ・梅 ・ハチミツ ・青草 ・土
・森林 ・サトウキビ（黒糖） ・アボカド ・ココナッツ ・キンモクセイ
樽香・熟成由来の香り
・オーク樽香 ・シェリー樽香 ・バーボン樽香 ・カカオ ・アーモンド
・カラメル ・バニラ ・ドライフルーツ ・ビスケット ・タフィー
乳製品系
・ミルク ・バター
アタック・第一印象
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・●・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 穏やかだが芯のあるアタック。 ］
味わい・テイスティング
甘味
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・●・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ ハチミツ、バニラ、フルーティな甘さ。 ］
辛み
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・●・・・・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 舌にピリッとドライ感が残るがそれほど強くはない。 ］
酸味
なし 普通 強い
0・・・・・・・・●1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4
コメント［ 爽やかな酸味 ］
苦味・渋味
なし 普通 強い
0・・・・・●・・・1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・・4
コメント［ ほとんど渋みは感じない。 ］
凝縮感・熟成感
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・●・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 熟成感はあまりない。フルーティさが際立つ。 ］
個性
弱い 普通 強い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・・・・●4・・・・・・・・・5
コメント［ ディンプルのデキャンター・オールドボトルの希少性。 ］
味わいから感じるフレーバー
・スパイシー ・ウッディ ・フローラル ・フルーティ
飲み口（風味・酒質）
・クリア ・クリーン ・スムーズ ・ピュア ・透明感 ・デリケート ・爽やか
・繊細な ・洗練された ・鮮やかな ・瑞々しい ・清らかな ・雑味のない
・じんわり ・しっとりとした ・優しい ・シルキー ・しなやかな ・きめ細やかな
・柔らかな ・綺麗な ・滑らかな ・ソフト ・穏やかな ・軽快な ・軽やかな
・自然な ・素朴な ・心地よい ・馥郁（ふくいく）とした ・優美な ・甘やかな
・上品な ・気品のある ・奥深い ・芳醇な ・味わい深い ・確かな ・滋味深い
・芯のある ・深みのある ・複雑な ・特別な
バランス
平凡 一般的 良好
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・●・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ 少し劣化しているかもしれない。 ］
ボディ・骨格
ライト ミディアム フル・ヘビー
1・・・・・・・・・2●・・・・・・・・3・・・・・・・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ ディンプル１２年と対照的にかなりのライトボディ。 ］
フィニッシュ
短い 普通 長い
1・・・・・・・・・2・・・・・・・・・3・・・・・●・・・4・・・・・・・・・5
コメント［ フィニッシュは長い。フルーツの味わいがずっと残る。 ］
総評・コメント
今回ご紹介するのは「ディンプル陶器デキャンター（オールドボトル）」です。
写真を見てお分かりいただけると思いますが、このボトルには記載情報がほとんどありません。
唯一（と言っていいかと思いますが）確認できるのはボトルの底に記載されている「７５ｃｌ，４３ＧＬ」だけで、「アルコール度数４３度、容量７５０ｍｌ」ということのみ窺い知れます。
ただ、この表示からだけでもこのボトルが１９８０年代後半あたりのオールドボトルだということは推察でき、実際に開栓してみるとコルク栓はボロボロの状態で、確実にオールドボトルであることが分かります。
更に調べてみると、ボトルには表示されていないものの、このデキャンターポトルは１２年熟成のようで、中身自体は以前ご紹介した「ディンプル１２年（特級ボトル）」と年代的にも変わりがないということになります。
「ディンプル」のキーモルトには「グレンキンチー」や「グレンロッシー」、「ノックデュー」「マノックモア」といった原酒と、さらに「キャメロンブリッジ」などのグレーウィスキーがブレンドされていますが、中核となるのはローランド地方を代表するモルト「グレンキンチー」です。
ブレンデッドスコッチの「ビッグ・ファイブ」※の中では、日本人にはあまり馴染みのないブランドと思われがちな「ディンプル（ヘイグ）」ですが、以前ご紹介したようにスコッチの中でも名門中の名門で、スコットランドでも最古の酒造り一族だと言われています。
スコットランドで「ヘイグ家を知らずしてスコッチを語るなかれ」と語り継がれているのはこのためで、今でもスコッチ業界の中では隠然とした影響力を持っています。
※「ビッグ・ファイブ」の詳細については「ディンプル１２年（特級ボトル）」のページをご参照ください。
この「ディンプル陶器デキャンター（オールドボトル）」のテイスティングですが、少し複雑で難しいところがあります。
まず最初に、以前こちらでもご紹介した「ディンプル１２年（特級ボトル）」と同じ流通時期・同じエイジングであるにも関わらず、味わいの方向性が全く異なっています。
更にオールドボトルによく見られる重厚な飲み口は影を潜めていて、どちらかと言えば軽快な印象が先に立ちます。
かといって明らかにオフフレーバーと断定できる香りや味わいはなく、むしろ心地よいニュアンスが感じ取れます。
具体的なテイスティングですが、一言で言えば「軽快なオールドボトル」です。
「グレンキンチー」をキーモルトにしながらも、「キャメロンブリッジ」等のグレーンウィスキーをうまく配合して爽やかな仕上がりとなっている印象を受けます。
フルーツの香りと味わいは確かにオールドボトルを思わせますが、重厚さはほとんど感じられません。
一方で、アルコールの劣化を嗅ぎ取れるような特徴的な要素は拾うことができず、この軽快さとフルーティな味わいはこのボトルの特徴的な個性と位置づけるのが妥当だと思われます。
上質の白酒や球磨焼酎、吟醸酒を想起させるような豊かな水菓子の香りが特長のこのオールドボトル「ディンプル陶器デキャンター」ですが、同じシリーズの他のボトルをテイスティングしても同様の結果になるのかどうかは分かりません。
ただはっきりと言えるのは、間違いなくこのボトルは上質の味わいのオールドボトルだということです。
吟醸酒が好きな日本酒愛好家にもオススメしたいウィスキーです！
